ニョニャム!お日様の下、カンボジア暮らし。

青年海外協力隊、環境教育、カンボジアの生活・自然・観光などについて紹介するブログです。いつもニョニャム(笑顔)を大切に、ありのままの日々を綴ります。

【ひたすら地道に種をまく】 青年海外協力隊 第4号報告書を公開します

 久しぶりの更新となってしまいました。

(果たしてこの書き出しの言葉を使うのは何度目なのか…。)

 

「最近どうよ?」

「活動順調?」

「というか生きてる?笑」

 

読者様のあらゆる疑問にお答えすべく、第4号 活動報告書を公開したいと思います!

 

内容は1月半ば時点のものですが、赴任13か月~19か月目の活動の様子(上手くいったこと、そうでないこと含め)と、そのなかで見えてきた変化や気づきをまとめています。

長いですが、興味のある方は読んでみてください(^^)/

 

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目次

0.報告書要約

1.活動の進捗状況

2.課題解決に向けた取組み・進捗・結果

3.活動事例の紹介 成功例・失敗例

4.受入れ国の人々の変化(活動のインパクト)

5.その他特記事項 任地での広報活動

 

0.活動報告書要約

都市美化評価委員会(NCCA)での活動を開始して、1年半が経過した。赴任1年目には、プノンペンや他州の学校で環境・衛生教育授業を実施した。また、ビデオや紙芝居等の教材を作成した。


2年目には、今後の活動の継続性を意識し、かつ新たなプログラム作成にも従事しながら、活動をすすめてきた。具体的には、任地プノンペンの小学校では、授業振り返りや今後の連携に関するミーティングを実施した。NGOの学校では、1年間の活動をふまえて新たなプログラムを作成し、継続的な授業を行ってきた。また、環境啓発イベントの企画・運営にも携わった。


活動2年目の課題は主に二つある。一つ目は、小学校での環境教育授業を継続し、先生・生徒が行う環境活動をサポートしていくことである。二つ目は、配属先で環境啓発活動が継続されるための計画策定の支援である。


この半年間は、一つの活動を継続することの難しさを痛感する日々だった。1年目で始めた活動を現地のスタッフや先生とともに評価し、次の段階の取組みに繋げていくのは、想像以上に大変であった。この経験から、活動の継続性や一貫性も大切であるが、それらにこだわりすぎずに、状況に応じて柔軟に考え方や行動を変えていくことも大切であると学んだ。


活動で長らく苦悩を抱える中で、今カンボジアでできること、やりたいことは何のか自問自答することが多々あった。そして辿り着いた答えは、シンプルなものであった。それは、「一日一日、周囲のカンボジア人との関わりを大切にし、彼ら・彼女らに対してできることを精一杯していく」ことである。


周囲のカンボジア人の近況や悩みを聴くこと、就職活動支援、日本語教育など、できることは沢山あるのだと、改めて気づくことができた半年だった。残りの任期も、環境教育活動の推進は勿論のこと、このような日常でできる小さな取り組みを大切にしていきたい。       

 

1.活動の進捗状況 

1.小学校における環境教育

小学校4校にて、約1年間を通しての先生や生徒の意識の変化、環境教育授業の評価をヒアリングした。そして、学校とNCCAの今後の連携方法に関する意見交換を行った。その結果、学校からは、校内美化の徹底やごみの分別促進を目的とした環境教育の継続の要望が上がった。一方で、配属先では人の入れ替わりが激しいため、この活動に従事できるスタッフの確保が課題である。

 

2. NGO運営の学校における環境教育

NGO運営の学校で、今後の環境プログラムについて話し合いを行った。当校の生徒の一部は、貧困のため不衛生な住環境で暮らしている。そのため、「生徒の健康と安全」を目的としたプログラムを、先生たちと作成した。野菜栽培、水と衛生、防災などのテーマを設定し、9月から1~2週に1回の頻度で授業を実施している。

 

3. 環境啓発イベントの企画・実施


昨年8月に市民バザーで親子向けの環境教育ブースを出展した。ゴミについて学ぶための絵描きやクイズを実施した。また、本年1月にはAEON 環境ポスター展示会を他ボランティアと共に開催した。活動先の学校で生徒達が制作した啓発ポスターを展示した。

 

2.課題解決に向けた取組み・進捗・結果

課題1:

小学校の環境活動を奨励するために、具体的な提言や学校間の交流が必要である。


取組み:

校内美化をすすめていく上での課題や、優先順位が高い取組みについて、先生達と意見交換をした。先生からは、現状に即した分別ごみ箱の設置などの提案が上がり、考えを行動に移そうとする様子が見られた。また、ある学校では、以前は中止していた資源物の回収が再開された。


今後の新たな課題として、環境教育を受けた特定の先生・生徒が他の生徒達と学びを共有する具体的な方法を提案することが挙げられる。

 

課題2:

環境啓発活動が継続されるための体制を整える必要がある。


取組み:

配属先では、国内3州の小・中・高等学校の環境活動を評価するための「Eco Club」を計画している。この計画実行により、環境啓発活動も継続される可能性があると考えた。そのため、計画の詳細を把握し、担当スタッフと意見交換を行った。

 

しかし、現状では配属先がEco Clubを実行できる見込みが低い。その理由として、当計画を担当しているのはスタッフ1名のみ(しかも他業務と兼任)、ビジネスに直結しないため省の取組みとしての優先順位が低いことが挙げられる。

 

3.活動事例の紹介 成功例・失敗例

成功例:


NGO運営の学校における環境教育活動で、最初はボランティア主体で授業を計画してきたが、現在は先生主体で授業を計画できるようになった。生徒も毎回の授業で真剣にワークに取り組んでおり、先生のモチベーションも向上することとなった。


成功要因:


1)先生が仕事熱心で能力が高いこと、2)「こどもたちの健康と安全のための教育」という共通目標の下で活動できたこと、3)生徒数が限定されているため、一人ひとりに目が行き届きやすいことが挙げられる。

 

 

失敗例:


配属先が計画した道路清掃活動の広報を手伝ったが、計画自体が自然消滅してしまった。


失敗要因:


計画が実行されるためのプロセス(関係者間の調整、進捗管理等)を支援していなかったことが挙げられる。

 

そもそも、配属先の主要業務は観光ビジネスに変わったことから、都市美化関連計画の優先順位が低い。それに加えて、スタッフが担う業務はその時々の政治的な事情に左右されるため、スタッフ自身も長期的に一つの計画に取り組む見通しを立てるのが難しい。

 

そのため、今回のように清掃活動の計画遂行を管理することは、ボランティアのみならずスタッフにも困難であった。

 

 

4.受入れ国の人々の変化(活動のインパクト)

 

(1)ボランティアの活動による人々の変化


配属先では、JICAボランティアの活動や役割について理解されるようになった。また、カンボジアでは、意識啓発とは目上の人間(大臣、校長等)が一方的に市民や生徒に説教をするものという考えを持つ人が多いと感じる。しかし、配属先の一部のスタッフは、意識変容を起こすには、双方的なコミュニケーションや、参加型の授業が必要であるという認識を持つようになった。


NGOの学校では、以前はボランティアが詳細な授業計画を提案し、先生と一緒に授業を進行していた。しかし現在では、先生のアイディアをもとに授業計画を作り、ボランティアのサポートなしで授業を進行できるようになった。こどもたちも、知識・経験の蓄積により、自らの考えを積極的に発言できるようになった。


(2)任地の人々の日本人に対する意識


任地には日本人と関わったことがあるカンボジア人は多く存在する。しかし、初対面のカンボジア人に「君はクメール人か?」、「日本人がクメール語を話せている!なぜそんなに話すことができるのか?」等の反応をもらうことから、クメール語を話す日本人には驚きと新鮮さを感じているようである。

 

5.その他特記事項 任地での広報活動

Apsara TVというテレビ局が「Clean City Show」という番組を毎週放映している。


本年1月に、当番組においてボランティア活動に関するクメール語のインタビューを受けた。具体的には、カンボジアの都市美化評価委員会で活動することになった経緯や、約1年半での活動内容とその成果、日本の都市美化の取組みについて紹介した。


当テレビ局は、都市美化に関する映像やインタビューなどの新たなコンテンツを必要としている。そのため、今後も番組担当者と協力し、テレビを通じた都市美化の啓発活動を実施していきたいと考えている。

 

 

*****

 

・・・というわけで、泣いても笑ってもカンボジア生活は残すところ130日!!!

 

なんだかこの協力隊の2年間が永遠に続くような気がしてしまう(そして心に何かがずしっとくる…笑)のですが、終わりは確実に近づいているんですね。実は。

 

とにかく生きて元気に帰ることを目標に(←目標低っ)、日々奮闘していきたいと思います( `ー´)ノ