初めての地方調査 ~苦難の次に、必ず良いことがあるさ~ その2
8月26日~29日の日記です。
いざ、出発
結局カウンターパートに同行してもらうことはできず、自分とSVさん2人の計3人で調査に行きました。
プノンペンを出発し、4日間かけてコンポンチュナン、ポーサット、バッタンバン、バンティアイミンチェイという4つの州をまわります。
All クメール語!学校で聞き取り調査
今回は、計9校の学校をまわりました。
コンポンチュナン州の小学校教員養成校。各学校の校長先生と環境の先生にお会いました。
事前に作成しておいたクメール語の調査シートにそって、
①市で特に重要だと思う環境問題
②学校でのごみ処理、3R活動、緑化活動
③環境教育の取り組み
の主に3つのトッピクについての質問に答えてもらいました。その後、調査シートをもとに、さらに詳しくお話を聴きます。
ポーサット州の中学校。この州の3人の先輩隊員さんにも同行してもらい、学校をまわりました。会話は、もちろんAllクメール語。地方では、校長先生であっても英語を話せる先生は少ないです。
バッタンバン州の小学校。ちょうど朝礼のはじまる時間に行ったので、朝のお掃除の様子も見させてもらいました。
バンティアイミンチェ州の小学校。学校での廃棄物管理に熱心に取り組んでいる学校で、とても勉強になりました。
カンボジアの学校の現状は…?
前にもブログで書いたように、カンボジアのごみ収集は行政ではなく民間会社が行っています。
ごみ収集の料金は月20$かかります。これは、ただでさえ財政状況が厳しい学校によっては、大きな負担となります。また、行政による廃棄物業者の監視がほとんどないために、お金をはらっていても不定期にしかごみを回収をされない等、問題点もあります。
そのため、一校をのぞいて今回訪問した学校では、廃棄物業者によるごみ収集がなされていませんでした。学校のグラウンドでごみを燃やすか、学校の裏の土にごみを埋めるという処理方法をとっていました。
学校のグラウンドの様子。こどもが外で体育の授業をしているときでも、ごみを燃やして煙が出ているそうです。
土の中にごみが大量に埋められていました。
上2つの写真を見て分かる通り、学校ででるごみはプラスチックが圧倒的に多いです。それにはカンボジアならではの理由がありました。
カンボジアの学校の始業時間は朝7時。とても早いです。そのため、大半の生徒が朝ごはんを食べずに登校します。そして、朝礼後や休み時間に学校内にある屋台でおかしや軽食、ジュースを買い、飲食しています。
学校の生徒数が1000人前後で、一日当たり1000食近くのプラスチックカップ、ストロー、発泡スチロール、ビニール袋がでているとしたら…?プラスチックのごみの量は、学校で適切に処理できるキャパを超えているんじゃないでしょうか…。(一日にでるごみの量まで今回調べられなかったので、ここは推測の域です。)
「学校で朝食をとる」というカンボジアの文化があるなか、どうやってごみを削減するか、いかに安全なごみ処理をするか、学校と一緒になって考えていく必要があるなと強く感じました。
クリーンシティコンテスト第一位 バッタンバン市
配属先の都市美化評価委員会の第一回クリーンシティコンテストで、バッタンバン市というところがカンボジアで一番きれいな都市として表彰されました。
たしかに、まちも川沿いのところも、プノンペンに比べてきれいだなぁ…。
SVさんいわく、ここ2,3年でバッタンバン市は急速にきれいになったそうです。そこで、学校の他にも環境局も訪ねて、職員さんに州の環境政策や啓発活動について詳しくお話を聞きました。どうやら、この市は市役所がとても環境政策に力を入れているようです。
一回目の地方調査を終えて
調査準備中に胃腸炎にかかったり、配属先で調査同行の協力が得られなかったりと、上手くいかないことも多々ありましたが、地方の学校の調査をしてみて、やはり環境教育の必要性は高く、協力的な校長先生、先輩隊員さんも多いことが分かりました。また、各州の魅力(観光資源)や、共通してかかえる環境問題も知ることができました。
聞き取り調査は、先輩隊員さんに同席してもらったときはスムーズに進められたものの、先輩隊員さんが同席できない時は、独力で調査をする必要がありました。9校の学校を訪問したので、自分から調査の目的や質問内容についてクメール語で説明するのは得意になったものの、相手の先生が言っていることを理解するには一苦労…。語学があまりできない現状の中、どうやって効果的に相手先の学校の現状を理解するか、次回への改善策をいろいろと考えることもできました。
9/7~9に行った2回目の調査についても、後日記事をアップする予定です…!