カフェでフラペチーノを飲んでいたはずが、気付いたら青空教室をひらいていた
今日の午後は、ひろしまハウスとにこにこの家が運営する学校に行ってきました。
この学校はウナローム寺院というお寺の中にあります。生活の為に働かなくてはいけない、出稼ぎのために家を転々としている等の理由で、普通の公立学校に通えないこどもたちが、ここに来て自由に識字、算数、衛生などを学ぶことができます。朝食、昼食、夕食(おやつ)も提供されています。
1年生のクラスの様子。クメール語の独立母音を勉強していました。生徒たちは元気よく単語や文章を音読していました。先生はボランティアとして授業を行っています。
みんな、しっかり挨拶してくれるし、はきはきしていて、とてもかわいい…!!
学校は午前、午後の二部制になっています。ここに来るこどもたちは、学校に行かない時間帯は近くの王宮広場やリバーサイドで物を売っています。
おそらく、カンボジアに行ったことのある人なら、物を売っている子供たちに出会ったことがあると思います。きっと、ついつい「かわいそう」という思いから、お金をあげたり、物を買ったりする人もいるかもしれません。まぁそれについてとやかく言いたくはないのですが、こどもたちがお金を稼いでも、その収入が元締めの大人や親の懐にはいります。外国人や観光客がこどもから物を買う限り、このような習慣がカンボジアからなくなることはないでしょう・・・。
でも、もし自分がこの学校で仲良くしたこどもたちと街中で出会って、彼ら・彼女らが物を売っていたら、いったいどう接したらいいんだろう?
少し複雑な気持ちになりました。
学校を訪問した後、SV(シニアボランティア)さんとリバーサイドのカフェへ…。暑かったので、フラペチーノを注文。一息つけたと思いきや、仕事の電話が入る。電話が終わり、「さて、ゆっくりしよう♪」と思ったら、今度はブレスレットを売るこどもたちがやってきました。
「これ(ブレスレット)、1ドルで買って。」
「お腹すいた…。そこでご飯買ってよ…。」
何度も何度も、悲しそうな顔をしたこどもたちに頼まれます。カフェには欧米人もたくさんいますが、おそらくお客で一番ちょろそうな(笑)私のテーブルだけに、どんどんこどもたちが集まってきます。
私は
「ごめんね。買えないよ。」
と何度も何度も断ります。
ちょうど電話後だったのでノートとペンをひろげたままでした。そしたら、今度は
「これ(ノート)、ちょうだい。」
と子供に言われました。
まぁお金あげるんじゃなくて紙とペンを貸すならいいかなーと思い、こどもたちに紙とペンを渡します。
そしたら、紙とペンを渡した途端に、こどもたちは夢中に文字を練習したり、絵を描いたりしはじめました!その姿はとても活き活きとしていて、さっきの「かわいそうな子供」の仮面はどこかにとんでいきました…!
SVさんにこのドタバタな光景を撮ってもらう。笑
絵を描いて「これ、見て見てー!!!!」と言ってくる子もいるし、得意げに英語のアルファベットをすらすら書いていたこどももいます。
「すごい!こんなに勉強しているんだね!」
と感心して言いました。
なぜか蛍光ペンがこどもたちに人気で、取り合っているうちに殴り合いのケンカになり、注意することもありました。
SVさんに
「カフェが塾になってるね。」
と笑われる始末。
そうなんです。
カフェでフラペチーノを飲んでいたはずが、気付いたら青空教室をひらいていました。笑
そうしてカフェでちびっこたちのお世話?をしているうちに、
自分はプノンペンの住民なんだから、ストリートチルドレンであれ、裕福な子供であれ、近所のこどもとして普通に接すればいいんだなー思うようになりました。
悪いことをしたら注意するし、良いことをしたら誉める。彼ら・彼女らが勉強したかっがっていたら、自分ができる範囲で手伝う。
その後、自分のペン一本一本を取り返すのはまた一苦労でした。パンツの中や口の中に入れられてしまったペン2本は、(きつく注意したけど)仕方なくあきらめることに…。
さて、先述したように、カンボジアには親や他の大人によって働かされているこどもが沢山います。そんなこどもたちでも、教室に来れば、また、紙とペンがあれば、夢中に勉強しています。
自分がどんな状況にあっても、勉強したいという意欲を持ちづづけられることは、本当にすばらしいことだなとかんじた一日でした。