私達は魚も与えるし、魚の獲り方も教える。
今週は、プノンペンにあるNGOや婦人団体にコンタクトをとって訪問し、環境教育や都市美化活動での連携について考え中です。
まだ私自身が全然情報網を持っていないので、限られた情報でも、まずはその団体まで足を運んで、いろいろとお話ししたり、活動を見させてもらったりしています。暗闇の中、細い糸を手繰り寄せているようなかんじです。笑
今日は、フランスのNGOであるPSE(Pour un Sourire d'Enfant)に行ってきました。ウェイスト・ピッカー(廃棄物の最終処分場や埋め立て地で有価物を拾い、生計を立てる人)である子供たちのための学校と職業訓練校を運営しているNGOです。かつて廃棄物の埋め立て地であったところに、学校を建設しました。
ウェイストピッカーのこどもたち
職業訓練の様子
PSEに到着したとき、外はどしゃぶりだったので、しばらくレストランで待機…。このレストランの店員さんはみんな,職業訓練校のホスピタリティ・観光コースの生徒さん達です。とにかく、英語はきれいだし、笑顔はチャーミングだし、ちゃんとおもてなしを学んでるんだな!というのがよく分かりました。全然人の写真を撮っていなかったことが悔やまれる。
雨が止んだので、レストランの外へ。中庭では、野菜栽培、水耕栽培をやっているようです。
学校のクラス単位の交代制で、毎日学校内をお掃除しています。
職業訓練校は実践カリキュラムをとても重視しているそうです。これは、衣服のクリーニングのコース。
一見普通の美容院に見えるこちらも、職業訓練コースの一つ。ヘアサロン、ネイル、メイクなどをやっています。世界トップクラスのスタイリストさんが先生をやっています。
さらに施設の中には、たくさんの運動場があります。写真は、こどもたちとスペインからのボランティアのお兄さんお姉さんたち。この学校だけで現在100人以上ボランティアがいるそうです(す、すごい…!!)。
スポーツだけでなく、アートのアクティビティも充実しています。こどもたが集まってテレビ?を見ていたこの場所では、お絵かきや工作、歌やダンスなどをやっているそうです。
PSEの学校には、近隣から通うこども、プノンペン市内からバスで通うこども、さらにこの素敵なアパートに下宿する他州のこどもたちがいます。住居費はすべてNGOが負担。どれだけキャパが大きいんだ…!!
このアパートはフランスの一企業の寄付によって建てられたそうです。
約三千人という大勢の生徒がいながら、スタッフや先生によるケアは手厚いようです。よくこどもたちを観察し、何か家庭での問題がないか、とても気遣っているそうです。というのも、学校でちゃんとした教育を受けていても、働くことを親から余儀なくされ、学校を辞めてしまう子が少なからずいるそうです。
ここでは特に経済状況が厳しい生徒とその家族へ住まいや生活費を提供し、かつ約三千人の生徒に対し十数年にわたって学校教育や職業訓練を行って、国内ではハイレベルと言える人材を育成しています。ダイレクターはこういいました。
「私達は魚も与えるし、魚の獲り方も教える。」
日本からやってきた新卒ボランティアは、ただただ圧倒されて帰ってきました。笑 想像していたよりもNGOの活動の質・量がはるかにすごくて、正直自分の出る幕はないかな、と思いました。(環境分野の先生はいないからぜひ来てほしいと言われたが…。)
とはいえ、
NGOや市民団体の様子を実際に見て話を聞いていくなかで、
自分は誰と一緒に活動したいのか?
活動を通じて、誰にどうなってほしいのか?
という根本的な目的(というか思い)を、具体化していけることに気づきました。
「私はこの人たちとこれをしたい!」というのがゆくゆく見つかったらいいなと思います。