ニョニャム!お日様の下、カンボジア暮らし。

青年海外協力隊、環境教育、カンボジアの生活・自然・観光などについて紹介するブログです。いつもニョニャム(笑顔)を大切に、ありのままの日々を綴ります。

カンボジアでの一大環境教育イベント、終了! その中身と、協力隊としての貢献度・反省点を振り返る!

 2/26~2/29に環境教育イベント「エコシティプロジェクト」を実施しました。500名以上の来場者、そして多くの政府関係者や報道関係者もいらっしゃり、社会的インパクトは大きかったように思います。イベント後、プノンペンのリバーサイドで清掃活動をするグループが立ち上がるなど、実際に環境改善のために行動する人が増えたことは、とても喜ばしいことでした。

 

あらためて、どんな環境教育イベントを実施してきたか、そして青年海外協力隊である自分はどのような役目を果たすことができたのか、振り返りたいと思います。

 

 

イベントの概要

今回、JICAが建設した地下洪水対策施設で、カンボジアのごみ問題について市民が学び、考えるためのプロジェクションマッピングが上映されました。

プロジェクションマッピングとは、建造物や凹凸のある壁に映像を写し出す技術のことで、日本だとこの技術を活用したイベントが国内各地で開催されていますよね。

しかも、ただ映像を楽しむだけでなく、環境改善にかかわる企業ブースでリサイクルやコンポスト、水質浄化について学べたり、河川での清掃活動を行ったりと、参加型学習といった側面も大きいイベントとなりました。

 

プログラムの内容

1.プロジェクションマッピングのイラストづくり

 イベントに来てくれた小学生の子たちや大学生に、まず果物や星、花の色塗りをしてもらいました。なんと、自分が描いた絵が、プロジェクションマッピングの映像に取り込まれるんです…!私も子供たちと一緒に色塗りしちゃいました。笑

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2.日系企業による環境改善活動の紹介

色塗りが終わったら、屋内ブースで、日系企業によるリサイクル、コンポスト、水質浄化について学びます。招待したモデル校の生徒さんたち、とっても真剣に話を聞いていました。カンボジアでは日本ように社会科見学がないので、自分たちの生活に関係する環境インフラや環境システムについて学ぶ機会は、とても貴重なものだと思います。

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3.環境教育ビデオ紹介

自分が一番かかわっていたことろなのに、上映している写真を一枚も撮っていませんでした(泣)また後日ブログで紹介します。ということで、今回は割愛。

 

4.プロジェクションマッピング上映

プノンペンのリバーサイド沿いにある階段を下りていくと、JICAの地下洪水対策施設への入り口があります。中に入れるのは、乾季だけです。雨季だと、この四角い入り口から川へ、街中の排水がじゃーじゃー流れているそうです!

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中は真っ暗なので…お手製ペットボトルライトが足元に並べられていました。ライト作成に直接はかかわっていないのですが、水に少量の牛乳と絵具を混ぜることで、このようにぽわ~んときれいに光るライトができます。

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 待ちに待ったプロジェクションマッピングのはじまり~。まず、こどもたちが描いたプノンペンの街並みが映し出されています。所々にごみがありますね~。

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 雨が降ると・・・ごみが排水施設につまって、プノンペンの町は大洪水に!(ここ数年改善されつつありますが、数年前まではプノンペンで雨が降ると、実際に肩の高さくらいまで洪水になることがあったそうです。)

川の中をのぞいてみると・・・魚がたくさん!

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でも、ごみがあると…どんどん川が汚染されて、魚たちはいなくなってしまいます。

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ワッティー君(今回のイベントのメインキャラクター)が街中のごみを拾っていきます。

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 こうすることで、きれいな街ができます。みなさんは、どんな街を作っていきたいですか?どんな街に住みたいですか?

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プロジェクションマッピングの流れはだいたいこんな感じでした。ストーリー自体はシンプルだけど、そのストーリーを映像とナレーションによって体験することで、子供も大人も、強い印象を受けたのではないかと思います。

 

5.トンレサップ川沿いでゴミ拾い

再び外に戻り、今度はトンレサップ川沿いでゴミ拾い!4日間で100袋以上のごみが集まりました。

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暑くても、全然へっちゃら?!

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 青年海外協力隊として、どんな役目を果たせたか

今回のイベントはJICAと日本企業の共催のイベントで、企画段階からかかわっていた青年海外協力隊は自分のみでした。規模が大きく、かつ日本人主体のイベントだからこそ、環境教育の現場に携わる者として、常に現場視点・カンボジア人視点で意見を積極的に言うように心がけていました。実際に貢献できた点は…

・自分が活動している公立小学校やNGOの学校を誘致できたこと

・環境教育ビデオ作成において、普及段階での課題を視野にいれつつ、現地の実情にあわせたコンセプトや内容を提案できたこと

・配属先の都市美化評価委員会の上司や同僚に、中身の伴った(キャンペーンだけでは終わらない)イベントを見せられたこと

・配属先が環境教育ビデオを活用できるようにしたこと

ここの4点だったかな~と思います。

 

これだけ紹介しておきながら、イベント準備において実はそれほど意思決定に関われていなかったのですが(笑)、配属先とモデル校に少しでも貢献できたのかな~と。でも、学校側への配慮が足りない部分(招待する時間帯の設定など)があった、イベント後に効果的なフィードバックをするための方策(アンケートの実施など)をとれていなかった等々、個人的に反省すべき点は多々ありました。要するに、自己満足で終わらないために、もっと自分自身やるべきことがあったのでは、と思いました。どうしても大きなイベントをやるにあたって、実行することそのものがいつしか目的になってしまいがちですが、イベントによる効果を評価する、といったところまで常にきちんとやりたいものです。

 

今回学んだことはまだまだたくさんあるので、これから小出しにしていきたいと思います…!