読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ニョニャム!お日様の下、カンボジア暮らし。

青年海外協力隊、環境教育、カンボジアの生活・自然・観光などについて紹介するブログです。いつもニョニャム(笑顔)を大切に、ありのままの日々を綴ります。

大臣や重役が集まる会議で、なぜかトイレの便器の話…。建設的な議論は、どうすれば可能?

配属先でのある日の出来事。

 

観光省の重役が集まる会議があるらしく、朝からスタッフはバタバタ忙しい。まるで、嵐の中にいるかのよう。

 

Clean City Day という配属先イベントの会議だそう。特に自分の部署が中心となって企画しているとの認識だったので、会議に参加することに。

 

しかし…!!!事件は現場だけでなく、会議室でも起こっていた…!!!

(いや、事件は起こってないですが…。)

 

まずプレゼンのイントロは、カンボジアのトイレの衛生問題。ふむふむ、観光省でもこういう足元の現状に目を向けるようになったのかな。

 

そして、観光地にもっときれいなトイレを増やそう、という話に。たしかに、カンボジアの観光地にはトイレ自体そもそも少なく、日本人観光客が使えるような衛生的な公共のトイレは、本当に稀です。もちろん備え付けの紙はないし、トイレを流す水すらないなんてことも、よくあります。逆に、流すように溜めてある水が汚くて、かえってボウフラの発生源になっていたり。
そもそも、当の観光省のトイレはとっても汚いです。掃除の人が1週間全く来ないことも当たり前で、ハエの大群にイライラしてしまいます。

 

…という個人的な感情はさておき、会議のスピーチとパワーポイントのクメール語を必死に理解しようとします。

 

そして、なぜかその後、トイレのレイアウトの話や、トイレの便器のサイズ(?!?!)の話がしばらく続きます。とにかく話が細かい!!!


もう一度言いますと、観光省の大臣や重役が集まる会議です。今、この場でこの話必要なのだろうか…。こういうのって、この事業を受注する業者が決めることであって、もっと国の政策として、いつからいつの期間に、どの地域のどの観光地に、これくらいの予算規模でトイレ建設事業を行う等々、なぜそういう計画は一切ふれられていないのか…。どうして、全体的な話がなく、部分的な話にとことんフォーカスするのか…。疑問はつきませんでした。


そして極めつけは、クリーンなトイレのコンテストの話に!
何かといいますと、トイレを5項目(さらにそれぞれの項目ごとにチェックポイントがある)で観光地のトイレを評価して点数をつけ、3段階で賞をつけるそうです。
ニコちゃんマーク3つ :クリーンなトイレ
ニコちゃんマーク2つ :まぁまぁなトイレ
ニコちゃんマーク1つ :汚いトイレ

パワポにうつるニコちゃんマークを見て、気が抜けていくようでした。

 

観光省では、何かとスタンダードを作って評価する、というのが好きです。レストランやホテルで星いくつとか、日本でも海外でもありますよね。でも、問題なのは、何事にもこの手法を当てはめてしまうこと。

クリーンな観光都市、エコな学校、エコな企業、そして、今度はクリーンなトイレ…。
昨年行われたエコビジネスコンテストでは、配属先スタッフ3人でスタンダードを作り、カジノ、ゴルフ場、ホテル、リゾートなどの「エコ度」を評価していました。はたして、評価の妥当性はいかに。そして、企業を評価して表彰した後はフォローアップもなく、また次の新しいスタンダード作りを考える。配属先では、このようなことが延々と行われています。

 

しかも、トイレに賞を与えるインセンティブも、不明瞭です。レストランとかホテルとかでは、星の数が、観光客が数ある選択肢から決める基準になるかと思います。

でも、そもそも観光地にトイレが全然ないというカンボジアの状況下で、ニコちゃんマークが3つでも1つでも、そこにしかトイレがなかったら、使うしかないよな…なんて思ってしまいました。

 

もちろん、表彰によってトイレの維持管理する人のモチベーションを上げるというという目的があればいいのですが、そういったことに関しては、一切話がない。これも、カンボジアですごく感じることなのですが、新しく建てられものを維持管理する、きれいに使うっていうのが当たり前ではないのです。建設や開発にお金をおとすだけじゃなく、もっとこういうソフト面の問題に対して色んな人が議論し、解決策を考えていく必要があるんじゃないかなと思いました。

 

会議でのトイレの話があまりにも長すぎて、会議に出席している若いスタッフたちは自撮りを始めるし(←カンボジアの会議あるある)、他にも携帯をいじってる人、退出する人が多数でした。そして、私も退出しました。笑

 

会議の内容を全て理解できているわけではないので、大事な情報が抜け落ちている可能性は高いのですが、多くのことを考えさせられました。

 

観光業はカンボジアの経済発展を担う主要産業です。そのため、国が正しい方向に舵取りをすることは、すごく大事なことだと思っています。でも、これまで観光省のいろんな会議やワークショップに参加してきて、長期的視点にたった政策や実現可能な計画の作り方を、上の人が知らないんじゃないか、そう思わざるをえませんでした。

 

また、省はすごくトップダウンが強い組織です。若手のスタッフが海外研修に行くことが時々あるのですが、彼ら・彼女らが他国のツーリズムやガバナンスを学んでカンボジアに戻ってきても、上の人に対して何か意見できる機会がないので、政策・計画作りに関する優れたノウハウがカンボジアの行政に根付かないんじゃないかなぁと勝手に思ったりもしています。

 

誰か、カンボジア観光省の政策作り、計画作りを支援する専門家って、いないのでしょうか…むむむ。そんなこんなで、悶々とした会議でした。

今度、幸運なことに大使館の観光省担当の人と意見交換をさせて頂けることになりました。せっかくの機会なので、現場の声を直接お伝えしたいと思います(^^)/

 

f:id:kirinnomori:20160208000122j:plain

自分の疑問や発見をただの独り言で終わらせず、そこから小さなことでも行動に移していこう。